家族の介護を始めるにあたり、多くの人にとって悩みの種になるのが「排泄介助」ではないでしょうか?
育児を経験している人にとって、おむつの着脱は手慣れたものかもしれませんが、赤ちゃんと大人では体の大きさも異なり、手順も当然異なります。またより力も必要になってきます。
さらには長年一緒に暮らしてきた家族とはいえ、排泄物を目の当たりにするのは抵抗があるでしょう。しかし、介助を受ける高齢者本人は、介助者以上にデリケートな問題なのです。
今回は、高齢者の尊厳を傷つけないための、適切な排泄介助の方法や注意点について紹介します。
トイレを利用する介助について
まず自宅のトイレで排泄をする場合の介助方法を確認しましょう。介助する家族に出来ることにはどのようなことがあるのでしょうか? 具体的な手順はもちろんですが、介助の前にしっかりと心得ておかなければいけないこともあります。
まずは基本的な家庭のトイレでの排泄介助の手順を見ていきましょう。
【トイレでの排泄介助の手順】
①トイレまでの誘導
障害物がないか、など本人がしっかり歩けるかを、確認してください。必要がある場合は、歩行の介助をしましょう。本人の歩行ペースを崩さないように注意してください。
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②衣服(ズボン、パンツ、おむつなど)の脱衣
基本的に本人が出来ることは本人に任せましょう。
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③便座に座るまでの介助(移乗)
足腰が弱く、トイレに介護用の手すり等を設置していない場合は、転倒しないように介助をしましょう。
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④排泄中は外で待機
排泄中は、本人が気にならないように介助者はドアの外で待機しましょう。その際にドアは少しだけ開けておき、異変に気づけるようにしましょう。
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⑤排せつ終了の確認(声かけ)
排泄が終わったら、合図をかけてもらいましょう。なかなか合図がない場合は、外から声をかけて、状況を確認しましょう。しかし、焦らせたり、促すようなことは絶対にしないようにしてください。
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⑥清拭(せいしき)
自身で清拭ができない場合は、すばやく手伝ってあげましょう。またこのときに排泄物を確認して、健康状態を把握するようにしましょう。
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⑦衣服の着衣
自身で衣服を着ることができない場合は、介助をしましょう。
この一連の流れをスムーズにおこなうことが重要です。時間がかかるほど被介助者は羞恥心を感じ、尊厳が傷つけられてしまいます。最初はお互いに慣れず、失敗があるかもしれません。しかし、叱ることはせずに、回数を重ねて素早くできるようコツをつかむことが大切です。
尊厳を傷つけない
これまで独力でおこなってきた排泄行為の一部を、家族とはいえ人に見られるわけですから快く受け取る人はいません。
同時に介助者は決して不快な態度や言動を表してはいけません。不快な態度を見透かされてしまうと、介助者は羞恥心を強く感じるようになるばかりか、排泄という行為自体を罪に感じてしまい、心を閉ざしてしまう可能性があります。また、仮に排泄に失敗しても決して咎めることがあってはなりません。ますます自信を無くし人間不信に陥ってしまうかもしれません。逆にうまく行えたときは一緒に喜んであげましょう。
出来ることは自分でやってもらう
上記の排泄介助の手順はあくまで一例であって、被介助者が自立排泄できるのであればその部分はサポートする必要はありません。ただし安全に排泄をしてもらうためには、トイレとその周辺にはバリアフリーが必要となります。
まずトイレは座って用が足せる洋式でなくてはいけません。和式の場合は、便器の上に便座をかぶせる洋式タイプの簡易便座を購入するとよいでしょう。ほかにはトイレ個室内の手すり、ヒートショックを防ぐための温熱便座、温水洗浄も必要です。終わったあとの清拭や水洗も独力で出来るようならばやってもらうようにしましょう。
すべてに介助をしてしまい、指示を出してしまうと、本来の目的である自立状態からより遠くなってしまいます。
水分補給はこまめにする
一度、排泄で失敗してしまうと、同じ過ちを繰り返したくない一心で、極力トイレに行かないで済むよう水分補給を拒むケースが想定されます。しかし、水分補給を怠れば、脱水症状や便秘につながるため健康上よくありません。こういったリスクもきちんと説明し、これまでどおり水分を摂取してもらうよう努めましょう。
また繰り返しにはなりますが、失敗しても決して叱ったり、咎めたりはしないよう細心の注意を払ってください。
排泄のパターンを掴む
排泄で失敗しないためにも、家族は被介護者の排泄のタイミングを知っておくことも重要です。その時間を見計らって早めにトイレに誘導出来ればスムーズな排便が可能となるでしょう。ただしこのときも急かしたり、焦らせたりするような言動は禁物です。
また毎日同じ時間にトイレに行くような習慣ができると、リズムもつかみやすくなります。
※情報引用元
自動排泄処理ロボットシルバーは介護における夜間の排泄処理の介護者の負担を軽減するために生まれました。
介護ロボット「シルバー」は、清潔で快適な排泄をお手伝いします。