排泄介助する際に利用者の尊厳を守るには

人は生まれてすぐのころは自分で排泄をコントロールできません。
そのためにおむつを着用し排泄の処理はすべて他人の手にゆだねられていますが、成長とともに排泄という行為は自力でコントロールできるようになります。

排泄行為はコントロールできるようになった後には、長らく他社の目に触れずに行ってきた行為であります。
また、他社の介入を必要としなかった行為となります。

高齢や障がい、疾病の影響で排泄行為が自力で行えなくなるということは、長らく自力で行ってきた行為が喪失したことであり、自身の排泄物の処理を他者に委ねることは本人にとっては非常に申し訳なく思うとともに羞恥心を覚えやすいことといえるでしょう。

排泄介助を行う際には、ただ介助をするという意識だけではなく、利用者のこうした心情を理解して介助をすることが重要です。

排泄介護を行う職員の不用意な言葉や応対ひとつで高齢者は深く自尊心を傷つけることになり、尊厳が失われます。

介護職は長年自立していた行為を人に委ねることの喪失感や羞恥心を十分に理解したうえで利用者の心情に寄り添う排泄介護が求められます。

排泄障害とは

排泄行為に何かしらの障害をきたす排泄障害は、尿や便を溜めておくことができないものと、その逆に排出することが困難になるものとがあります。

原因は様々な要素が複雑に絡み合っており、排泄に関わる器官である直腸、肛門や泌尿器の疾患以外にも脳疾患、脊髄疾患、認知症、といった生活習慣病などの疾患も排泄を困難にする要因となります。

排尿の障害

排尿障害とは尿を排出しにくいまたは自力で排出できないものと意思と関係なく出てしまう尿失禁、頻回に尿意を感じてしまう頻尿などのことを言います。

頻回に尿意を感じる頻尿の原因も様々で、一度の排泄で尿が満足に出きらない残尿や糖尿病などの疾患による多尿が要因となることもあります。

また、尿を漏らすことを気にしてしまい何度もトイレへ行く心因性の頻尿なども見られます。

排便の障害

排便障害も排尿と同様に自力での排出が困難なものと、自分の意思に関わらず強い便意が急激に襲ってくるものがあります。

運動量の低下や筋力低下などにより腸の蠕動運動が低下し排便しづらくなる慢性便秘や腸閉塞などが排便を困難にする原因として多く見られています。

排泄障害を抱えている方は、人に迷惑をかけてしまう、出したくても出ないことから身体に力を必要以上に入れてしまい、結果的に心臓や血管に負担をかけてしまうなど様々のストレスがかかってきます。

それらの要因が自律神経に作用することで、さらなる排泄障害につながることもあるため、介助者は利用者のこうしたストレスを緩和することを考えながら、寄り添うことが必要です。

※情報引用元

自動排泄処理ロボットシルバーは介護における夜間の排泄処理の介護者の負担を軽減するために生まれました。
介護ロボット「シルバー」は、清潔で快適な排泄をお手伝いします。